manner ≠ マナー?!
我々が一定の社会的存在である以上、何かと付きまとうのがマナーです。
訪問時、食事中、映画鑑賞中…枚挙に暇がありません。
さて、これはmannerに由来する外来語であることには違いないのですが、実は、mannerは「マナー」を意味しません。
どういうことかというと…
基本的に、名詞mannerは「方法」という意味で、wayやfashionと同義語です。
She solved the problem in a strange manner.
「彼女はその問を、見たことがない方法で解いた。」
そして、「マナー」という意味を表す場合、mannersと常に複数形になるのです。
先日、とある私立校の定期試験問題を見る機会があったのですが、問題文に、
Tom has a bad table manner.
というくだりがありました。これは誤文です。「テーブルマナーが悪い」というのなら、次のようにします。
Tom has bad table manners.
本来ならば「マナーズ」という形で流入してくれればよかったのですが、日本語には英語と違って単数/複数などの「数の規則」がほとんど存在しません。
それゆえ、複数形のsなどハナクソくらいの認識でしかなかったのでしょう。「ズ」が抜け落ちたものが外来語として定着するのも、むべなるかな、という感じがしますね^^;
丈