internationalの本当の意味
これからは国際化の時代だ、国際社会で活躍できる人材を育てるのだと、時代はまさに「国際祭り」とでもいうべき状況です。大学の学部なんかでも、「国際〇〇学部」はいかにもそれらしい響きだからか、着実に人気が高まりつつあるように感じます。
では、「国際社会」とはいったいどこなのでしょうか。
国際的、とは英語ではinternationalで、今日では外来語としてもすっかり定着しています。同時にこの単語は、漠然と世界を表すという根本的な誤解を持たれてもいます。
そもそも、inter-という接頭辞は「お互い」という意味です。
interview:お互いに向き合うこと⇒面接、面談など
the Internet:もとはinternetwork。ネットワーク同士がつながりあうこと
この伝で考えると、
inter-「お互い」nation「国家」-al(形容詞を作る)
なので、「(特定の)国家間の」というのが正しい理解なのです。
たとえば、日本とアメリカの関係しかり、中国とロシアの関係しかりですね。
外務省によれば、世界の国家は日本を含めて196国を数えるそうですから、
二国間の関係に限って言えば、
196C2 = 19110
ですから、これを世界地図にすべて書き込んだ日には一面真っ黒になります(^_^;)
つまり、結果的に「漠然と世界」を表すと言えなくもないのですね。
ここでひとつ、気をつけるべきポイントがあります。それは、
国際社会は(本来の意味において)
必ずしも英語圏を意味しない
ということです。当然ながら、日本と韓国のという国際関係ならば、英語を用いる必然性はありません。あくまで本来の意味においてですが、英語を話せることは国際社会で活躍することの必要条件でもなければ十分条件でもないのです(そもそも誰もが国際社会で活躍するなどという必要性も妥当性も皆無ですが)。
このあたりの事情を無視ないし軽視して、「国際化」を錦の御旗に英語をやたらと崇め奉る姿勢は、こと教育界においては非常に欺瞞的で不適切だと思うのですがね…^^;
丈